空(くう)
空(くう)とは、すべての事物はみな因縁によって生じる仮の姿で不変の実体がないという意味だそうです。
冷静に現象を観察した結果得られた達観と思います。
しかし、自分や他人を観察したとき、生きている人を、仮の姿とか、不変の実体がないと理解するのはちょっと問題ではないでしょうか。
人の命を軽く扱っている感じがするからです。
暖かい心とか愛を欠いている感じがします。
人は、自分を実体として認識し、死ぬまで生き切るのがいいと思います。
医者から明日死ぬと言われても、今は生きていることを実感し、残された1日の命でも生き切るのがいいと思います。
人は単なる物体ではありません。
生きており、精神が働いています。
精神の目的は、人が生きること、人を生かすことだと思います。
精神の表層部と考えられる自我は、決して人生にとって無益なものではありません。
本来人が生きるために存在する重要な機能です。
その自我が、自分を仮の姿とか不変の実体がないと思うことはちょっと弱々しいと思います。
確かに個人の寿命には限界があります。
しかし生物学的に子を残す仕組みがあります。
子には、精神の深層部と考えられる精神本体が伝承され、子を生かします。
こうして人類は精一杯生きてきたし、生きています。
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