武士道より篤農
憲法改正のための国民投票法案がまもなく国会で成立します。
現行憲法第2章(戦争の放棄)を変えることが安倍晋三総理および自民党の目的です。
しかし日本は今熱病にかかっていると思います。
武士道を強調する人が増えている感じがします。
武士道とは日本の武士階級に発達した道徳で、忠誠、信義、質素、倹約、礼節、名誉、武勇などを重んじたとされます。
信義、質素、倹約、礼節などはいいのですが、どうも忠誠、名誉、武勇には抵抗を感じます。
命、法、真偽を論ぜず、上の命令に従って機械のように戦う武士を想像してしまいます。
1867年江戸幕府が滅び、1945年軍部主導の日本政府が滅びました。
いったい武士道のどこがよかったのでしょうか。
武士道より篤農という言葉の方が好きです。
篤農とは熱心で研究心に富んだ農業家という意味です。
政府が滅びても篤農が滅びることはなかったと思います。
明治になって国際収支赤字解消に役立ったのは絹でした。
戦後の日本の繁栄を支えたのは工業でした。
今後も日本が世界の中で発展するには武士道ではなく、篤農のような事業家あるいは仕事人の精神が重要です。
日本産業は頑張っていると思いますが、どうも国際競争に押されて弱気になっている面があります。
技術的課題は必ずあります。
その課題解決に注力する精神を失わなければ日本は元気な国であり続けるでしょう。
ところが武士道だ、防衛だ、軍事同盟だ、集団的自衛権の行使だと言っているようでは発展は望めません。
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